ヘリコバクター・ピロリ菌について
日本人の約半数が感染しているといわれるピロリ菌。人から人の経口感染や井戸水などの水が感染経路で、5歳までに感染することがほとんどです。
ピロリ菌が胃に感染すると『慢性胃炎』となり、炎症を引き起こします。また、年齢とともに胃粘膜の萎縮や炎症が続き、胃がんの発生リスクが高まります。そのため、ピロリ菌に感染した場合は、胃がん予防のために除菌治療をおこなうことをおすすめしています。また除菌治療後も、1年に1回の胃カメラ検査をおこなうとよいでしょう。
ピロリ菌検査の保険適用
ピロリ菌検査は、以下の症状の場合に限り、保険適用で受けることができます。
- 胃・十二指腸潰瘍
- 早期胃がん術後
- 胃MALTリンパ腫
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 内視鏡検査において慢性萎縮性胃炎が確定された場合
検査は、血液検査・尿検査に加え、内視鏡で胃腸の組織を直接採取する方法を組み合わせておこないます。
除菌の流れ
ピロリ菌が陽性であっても全員が除菌できません。必ず胃カメラで観察し、前途の病気があった場合に除菌します。
ピロリ菌の除菌は、胃酸の分泌をおさえる薬と2種類の抗菌薬でおこないます。この薬は必ず7日間飲み続けてください。1回でも服用をやめてしまうと、効果があらわれにくくなります。投薬治療が終了して4週間以降に除菌に成功したかどうか検査します。ピロリ菌が認められた場合、薬の種類を変えて除菌治療を再度おこないます。
ピロリ菌がなくなっても胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。胃がんが発生しやすい慢性萎縮性胃炎が治るのにしばらく時間がかかるからです。除菌後も定期的に内視鏡検査をおこなっていきましょう。
費用
健康保険を適用した3割負担の費用です。
ピロリ菌検査:約2,000円
除菌:1,810円
※除菌をするにあたって、必ず内視鏡検査をおこなっていただいております(別途)